2018.09.30
災害に備えよう!知っておきたい防災知識まとめ【特集】
全国各地で続いている集中豪雨や強い地震など、日本は自然災害の多い国。
防災・減災には「事前の備え」が重要です。
この記事では、急な災害に備えて準備しておきたい防災グッズや、災害に見舞われたときの手助けとなる対処法を紹介します。
防災セットに必要なグッズとは?防災士に聞いてみた
※この記事は2018年07月27日にリンククロス シルでご紹介したものを転載しています。
記事はこちら▶防災セットの中身を充実させるコツを防災士に聞いてみた
社会のさまざまな場で減災と社会の防災力向上のための活動を行っている「防災士」の資格を持つ平山優子さんに、災害時に役立つ知識や防災セットの中身を充実させるコツをお聞きした。
外出時、避難時、自宅避難時の3つの状況に備える
防災や減災にあたり、「災害は自分にも起きる可能性がある身近なもの」と認識しておくことが何よりも重要だと平山さんは話す。有事の際に焦ることなく迅速に対応できるよう、事前に知っておくべきポイントをチェックしておこう。
(1)ハザードマップを確認しておく
災害は、地震・風水害・土砂災害・火災などさまざまあり、その被害は地域の環境によっても異なる。発災時、人は「外出している」か「自宅にいる」かのどちらかだ。職場や居住エリアで具体的にどのような被害が想定されているのか、市区町村が公表している各種ハザードマップや地区別防災カルテなどで確認できる。あらかじめ自宅と職場周辺の危険度レベルをチェックして意識を高めておこう。
(2)日ごろから急場しのぎ用の備えを携帯する
仕事をしている人は外出時に被災し、帰宅困難者になる可能性もあるため、家にたどり着くまでをしのぐ急場の備え(防災ポーチ)が必要となる。これらは普段から持ち歩くか一時的に職場に置いておくことになるため、常に携帯できるものに限定して重量を軽くしておこう。
(3)避難生活を見越し、非常用持ち出し袋を用意
災害によって自宅で生活できない場合や、自宅周辺に災害が及ぶ可能性がある場合は、一時集合場所に避難する公算が大きい。そのときに持って逃げるものが非常用持ち出し袋(防災リュック)だ。そのためには、日頃から非常用持ち出し袋の準備が必要不可決であり、避難所で数日間生活することを前提とした備えを考えよう。
(4)自宅で生活をするための備えをストックする
被災したものの、自宅で生活できるのであれば、自宅が一番安全で安心な避難所である。そのため、まず自宅で命を落とさない備え(住宅の耐震、家具・家電の固定、ガラスの飛散など)をしたうえで、ライフラインが途絶えても自宅で生活をするための備え(生活の備蓄品)が必要である。
つまり、防災セットとは大きく分けて以下の3点となる。
■外出時の備えとしていつも携帯する「防災ポーチ」
■避難時の備えとして持ち出す「非常用持ち出し袋(防災リュック)」
■自宅の安全対策をしたうえでの、ストックしておく「備蓄品」
生き残るグッズと生き延びるグッズを用意せよ
それでは、3つの防災セットにどのようなアイテムを入れるべきか考えていこう。災害が起こったとき、まず考えなければならないのは直接的な災害や二次災害から身を守り、「生き残る」こと。そして生き残ることができたら、次は日常生活を取り戻すまで「生き延びる」こと。この2つを考えて中身を選びたい。
例えば平山さんが用意しているものは、次のようなセットになる。
防災ポーチ
1.自分を守る「もしもポーチ」に入れるもの
ペットボトル水500ml、モバイルバッテリー、生理用品、マスク、心の支え(チョコや個包装のクッキーなど、自分が少しでも元気になれるもの)
2.いつもバッグに入れているもの(参考)
財布、絆創膏、スマートフォン、タオルハンカチ、ティッシュ、化粧品、交通系ICカード(ホイッスル&ライトつき)、目薬、歯ブラシセット、手帳と筆記用具、汗取りシート(夏のみ)
上記の1と2は仕事先で被災し、翌日に歩いて自宅に帰ると想定した備えだ。もし遠方へ登山に行く場合はもっと多くの用意をせねばならないだろう。防災ポーチの中身は、その個人の日常生活に必要なものと医薬品、そして緊急対応時に不可欠なものだ。
この中で特に注目してほしいのは「心の支え」。平山さんにとってはお菓子だが、被災して動揺しているときに「心を落ち着けられるもの」や「少しでもがんばる気力をだせるもの」を入れておくと、いざというときの励みになってくれるという。小さな子どもがいる場合は、普段からよく遊んでいるおもちゃなどを入れておくのもいいだろう。
非常用持ち出し袋(防災リュック)
■生活を続けるために必要なもの
メガネ、コンタクトレンズ、補聴器、お薬手帳、医薬品(例: 治療薬、抗ヒスタミン薬、アナフィラキシー補助治療剤、ステロイド外用薬、ストーマ袋など)
■避難するために必要なもの
懐中電灯(ヘッドライト)、防災ずきん、軍手、ヘルメット、携帯ラジオ、雨具(防水透湿)、ホイッスル
■当面の避難生活に必要なもの
水、携帯食品、着替え、タオル(特にてぬぐい)、衛生用品、エマージェンシーブラケット
■貴重品
現金、貯金通帳、印鑑、家族写真、連絡先リスト
■自分や家族に合わせて用意する必要があるもの
アレルギー用食品、生理用品、哺乳瓶、おむつ、入れ歯、ペット用品
非常用持ち出し袋は、一時避難場所での一時生活を想定して用意しなくてはならない。ある程度は市販の防災セットのような商品でまとめて揃えることができるが、自分や家族に合わせて用意する必要がある。
また、避難に時間を要する高齢者や障害者、妊産婦、乳幼児、その家族や支援者は、特に事前にしっかりと準備をしておきたい。自宅で被災した場合は、この非常用持ち出し袋と防災ポーチを持って安全な場所へ避難しよう。
▶その他用意しておきたい備蓄品など、より詳しい内容はこちらから!
災害時こそ、オーラルケアが大切
記事はこちら▶知っていると安心です。災害時のオーラルケア方法。
災害時に歯みがきなどのお口のケアができないと、思わぬ病気や命にかかわる感染症になる場合があります。
万が一「突然の避難所生活でハブラシがない」「水が少ない」という場合に、どうやってケアしたらよいか、具体的な方法を紹介します。
ハブラシがなくても、水が少なくても「できること」を。
●ハブラシがない場合
食後に30mL程度の水やお茶で、しっかりうがいをしましょう。また、ハンカチなどを指に巻いて歯を拭い、汚れを取るのも効果的。
●水が少ない場合
1.約30mLの水をコップに用意します。
2.その水でハブラシを濡らしてから歯みがきします。
3.ハブラシの汚れはティッシュペーパーや、あればウェットティッシュで拭き、また歯をみがきます。これをこまめに繰り返します。
4.コップの水で2~3回に分けてすすぎます。回数を分けるのがきれいになるコツです。
▶災害時に役立つデンタルケアグッズとは?記事の続きはこちらから!
いざというときに頼りになる制度って?
記事はこちら▶「まさか!?」の時に知っておきたい国の支援制度教えます!
災害へのそなえといえば火災保険や地震保険ですが、国にもいざというときに頼りになる制度があります。
自然災害に対して、国の補償はあるの?
もしも、災害にあって住宅に被害が出たらどうしたらいいでしょうか。まずは自分と家族の安全確保が第一ですが、状況が許すようになったら、片づける前の早い段階で被害状況を写真で詳しく記録しておくことをおすすめします。火災保険(地震の場合は地震保険)に入っていたら、保険会社にも被害状況を報告しておきましょう。
被害状況を撮影した写真は、後日、罹災証明書の申請を行うときに役立ちます。罹災証明書とは、災害による家屋の被害の程度を市町村が証明する書面。地震や水災など自然災害で被災した場合は、市町村の役場に申請します。各種の被災者支援策を受けたいときや、火災保険・地震保険に給付金を請求するとき必要になります。
罹災証明書を申請すると、現地調査が行われ、住居の損壊の程度は3段階で判定されます。
50%以上の被害があり、補修しても再使用が困難な状態を「全壊」、
40%以上50%未満の被害があり、柱などの補修を含む大規模な補修を行わなければ居住できない状態を「大規模半壊」、
被害が20%以上40%未満で、補修すれば元通りに再使用できる程度の状態を「半壊」
と判定されます。
浸水の被害、液状化の被害など、災害別の判定基準も設けられています。
被害が軽い場合は、損壊の程度を記載していない罹災届出証明書を発行してもらって、被災者支援策の申請や保険の請求を行うこともあります。
▶その他、ぜひ知っておきたい被災者支援策とは?記事の続きはこちらから!
以上、防災・減災対策に役立つ記事のまとめでした。
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