2018.02.06
30代男性は病気だけでなくケガへの備えも大切です
30代の男性は、体力もあって内臓の疾患やがんなどの病気を意識することもまだ少なく、入院や手術とは無縁と思っている人も多いのではないでしょうか?
でも実は、30代男性の入院理由は、病気より事故やスポーツなどでのケガによるものが多いのです。
まだ若いから、入院や手術の心配はないと思い込まずに、ケガなどによる入院で治療費がかかるリスクがあるということも覚えておきましょう。特に、30代は結婚などでライフステージの変化を迎える人も多い年代です。そうした時期に、入院したときの備えについてもきちんと考えておくと安心です。
30代男性の入院理由はケガが多い
厚生労働省の患者調査によると、30代男性の入院理由の上位3つは、以下となります。
出典:厚生労働省 平成26年患者調査 推計入院患者数,性・年齢階級×傷病小分類別 上巻第10-1表
「損傷、中毒その他の外因影響」が2位となっています。この多くは骨折などの傷病によるもので、外因影響というのは交通事故などの事故によるものと考えられます。
実際に、「警視庁交通局」が発表した「交通事故による年齢層別負傷者」の数をみると、30代がもっとも多く、続いて40代と、交通事故で負傷してしまうのは働き盛りが多いことがわかります。
出典:警察庁交通局 平成26年中 交通事故の発生状況(P4)
また交通事故だけでなく、趣味やスポーツ、子どもの運動会などでケガをしてしまって入院する、ということもあるでしょう。
もし、ケガで入院することになったら自己負担はいくら?
もし、ケガが原因で手術・入院となった場合どのくらいの費用がかかるのでしょうか? 参考までに、スキーでケガをした会社員のAさんの例を見てみましょう。
会社員Aさん(例)
スキーで右手指を骨折。ボトルを入れる手術で4日間の入院。
退院後通院はのべ29日間。(7か月間中)
翌年ボトル摘出手術で4日間再入院。その後の通院はのべ2日間。(2週間)
【手術・入院費計】15万6220円 (内差額ベッド代 4万7500円)
【通院治療費計】7万640円
【再手術・入院費計】15万5000円(内差額ベッド代 4万7500円)
【通院治療費計】1万1400円
ケガの完治までの総合計 39万3260円
ケガをしてから完治までの自己負担額は、約40万円弱となっています。
※治療費は、高額療養費制度により、年収やかかった費用のタイミングにより変わりますが、ある程度戻ってくる場合があります。
※治療費は、実際に入院された方に取材をした金額になります。東京都内の大学病院 スポーツクリニック科で治療を受けた例です。
予測不可能なケガ・病気のリスクへは医療保険での備えを
30代でお金を貯めたい時期であれば、予定外の出費が何万円もかかってしまうのは、家計にとっては大きな痛手ではないでしょうか。
しかもケガの場合、その後も通院治療が必要な場合が多く、Aさんの場合、1回目の入院の後7か月に渡って通院治療に通っています。そして、翌年はボトル摘出のために再手術となり、総額で40万円近い出費となっています。
もしケガをしたタイミングが、子どもがまだ小さくお金のかかる時期と重なっていると、予定外のまとまった出費は日常生活に支障をきたすことにもつながりかねません。
もちろん貯蓄を切り崩すことで費用を賄っていけばいいのですが、手持ちの貯金が少なかった場合、かかる費用は生活費の中から捻出することになります。
ただしそれだと日々の生活への負担が大きいので、貯蓄が少ない人ほど、医療保険で費用面の備えをしておくと安心です。(一般的に、医療保険の保険料は収入の3~10%程度が目安です。)
医療保険の保障内容は、さまざまありますので、Aさんのケースをみると「短期入院への備え」や「通院を保障する」という保障を取り入れるのも一考といえるでしょう。
監修者プロフィール:経済ジャーナリスト 酒井富士子(さかい・ふじこ)
経済ジャーナリスト。(株)回遊舎代表取締役。 日経ホーム出版社(現日経BP社)入社後、「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長を歴任。その後リクルートに入社。「あるじゃん」「赤すぐ」(赤ちゃんのためにすぐ使う本)副編集長を経て、2003年から経済ジャーナリストとして金融を中心に活動。近著に「60代の得する『働き方』ガイド」(近代セールス社)などがある。