2019.09.24
女性の笑顔と命を守る“乳がん”特集
10月は、世界ピンク リボン月間であり、毎年世界中で乳がんの早期発見・早期治療の大切さを世界の人々に伝える啓発活動が行われています。「ピンク リボン」とは、乳がん啓発活動を表す世界共通のシンボルマークです。
乳がんは女性にとって、とても身近な病気のひとつです。日本人女性の約11人に1人が生涯のうちに“乳がん”にかかるといわれており、女性のかかる“がん”のなかで最も多い種類のがんです。30代後半から急増し、年齢上がるにつれて、かかる確率も高くなります。(※国立がん研究センター「がん情報サービス」)
しかし、乳がんは早期に発見して、適切な治療を行えば、良好な経過が期待できる病気ということをご存知でしたか?30代後半といえば、女性にとっては仕事に、子育てなど、女性が活躍する大切な時期ですよね。これを機に、女性は大切な自分の身体と向き合ってみませんか?男性もぜひこれを読み、周りの大切な女性に乳がん検診の受診を勧めてください。
そもそも「乳がん」ってどんな病気?症状は?
乳がんは日本人女性においてもっとも患者数の多いがんであり、その数はいまも増え続けています。一方、早期の発見と治療で治る確率の高いがんでもありますので、乳がんのことをよく理解して、乳がん検診を受けるなど対策をしておくことが大切です。まずは乳がんとはどのような病気なのかを知るために、医師の監修のもと乳がんの症状や特徴について解説します。
日本人女性を襲う「乳がん」とは
乳がんとは乳房(乳腺)にできる悪性腫瘍のことをいい、女性がかかるがんの中で、もっとも患者数が多い病気です。日本における乳がん患者数は増加していますが、他のがんに比べて予後が良い、治る確率の高い病気です。
乳がんの構造と乳がん
乳房には赤ちゃんに与えるための母乳を分泌させるという役割があり、その役割を担っているのが乳腺(乳管・小葉)です。乳房の中には脂肪と乳腺が混在しており、乳腺は乳房の脂肪の中にあり、乳頭(乳首)を中心に放射線状に広がっています。
その乳腺で変異した異常な細胞が分裂を始めて増殖が止まらなくなる悪性腫瘍が乳がんです。乳がんのほとんどは乳腺の乳管に発生しますが、小葉の部分でもわずかですが発生することがあります。
乳がんにかかった乳房の6つの症状とは
乳がんにかかった時、どのような症状が表れるのでしょうか。ここでは、良性の疾患の症状についてもあわせて説明します。
-しこり
乳がんのしこりの痛みはほとんどありません。自身で触ってみたときの感じは「かたい」「デコボコしていて形が整っていない」という印象があります。
-乳頭分泌物
乳頭(乳首)から分泌物がみられます。無色や白色の場合は良性であることがほとんどです。赤い血液や、黒っぽい血液が乳頭から分泌される場合は、乳がんの心配もありますので、精密検査が必要になります。
-乳頭のひきつれ・くぼみ
乳房の皮膚にひきつれやくぼみが認められるときや、乳頭のひきつれが認められるときは、皮膚や乳頭の下に乳がんが潜んでいる可能性があります。
>>もしかして、その症状は乳がんかも…その他3つの症状とは?詳しくはコチラ
エコー(超音波)検査では何が見つかるの?マンモグラフィーとの違いとは?
乳がんの早期発見のためには、適切な乳がん検診を受けることが大切です。この記事では、小さなしこりを見つけることが可能といわれるエコー(超音波)検査について詳しく解説していきます。エコー(超音波)検査でわかること、エコーとマンモグラフィの違いなどをご説明します。
乳がんのエコー(超音波)検査でわかること
乳がんのエコー(超音波)検査は、ゼリーを塗った乳房表面に、直接「プローブ」という器具を当て、さまざま方向に滑らせながら、画像を映し出していきます。はね返ってくる音波の映像から、病変がないかどうかを調べる検査です。
エコー(超音波)検査では、触診では見つけられない乳がんも検出可能といわれています。医学的に「腫瘤(しゅりゅう)」と呼ばれる、数㎜の小さな「しこり」も見つけることができるとされているのです。
そのしこりは、全体的な形や他の組織との境界面の状態などから、良性か悪性かが判断されます。しこりが悪性かどうかは、エコー(超音波)検査の映像を通して、見分けることができます。
>>エコーとマンモグラフィはどちらを受ければいいの?一目で違いが分かる表はコチラ!
「要精密検査=乳がん」ではない!乳がん検診の精密検査の費用はどのくらい?
乳がん検診のあと「要精密検査」という結果が届くと、もしかしたら自分は乳がんなのかもしれない…と不安に感じますよね。怖いから精密検査をしたくないと思うかもしれませんが、もし病気の場合は治療が遅れたりすることのないよう、できるだけ早く必要な検査を受けましょう。ここでは、乳がん検診の検査結果のあれこれや、精密検査の種類についてご説明します。
慌てないで!「要精密検査=乳がん」とは限らない
厚生労働省の「平成27年度地域保健・健康増進事業報告」によると、平成26年度に乳がん検診を受けた方は218万2748人。受診者のうち、8.38%(18万2909人)の方が要精密検査となり、要精密検査者の4.05%(7416人)の方から乳がんが発見されました。 この数字から分かるように、乳がん検診の結果で「要精密検査」という結果が届く=乳がん、ということではありません。もしも乳がんだったとしても早い段階で発見できれば90%が治るといわれているので、必ず再検査を受けるようにしましょう。
乳がん検診における2大精密検査をご紹介!費用の目安をズバリ!
精密検査では、マンモグラフィ検査や乳腺超音波検査で見つかった異変がどのような状態なのか、治療は必要なのかどうかについて、詳しく調べていきます。大きく分けて「細胞診」と「組織診(生検)」の2種類があり、乳房から細胞や組織を採取し顕微鏡で確認します。
1.「細胞診」とは
「細胞診」とは、乳房から細胞をとり、その細胞を染色して顕微鏡で観察する検査です。細胞診には針を使う「穿刺(せんし)吸引細胞診」と、針を使わない「乳頭からの分泌物の細胞診」があります。費用の目安は、3,000~4,000円(※保険診療3割負担の場合)くらいです。
■穿刺(せんし)吸引細胞診
病変部に直接細い針を刺して、注射器で吸い出した細胞を顕微鏡で観察します。針を刺した部分に血のかたまりができることがありますが、重大な合併症はほとんど起こりません。体への負担が少ない検査法です。
■乳頭からの分泌物の細胞診
乳頭(乳首)からの分泌物がある場合には、それを採取して検査します。
>>細胞診よりも精度が高い「組織診(生検)」とは?詳しくはコチラ
自分で出来る!月1セルフチェックを習慣に!
あなたは、自分のおっぱいに変化を感じたことはありますか?
乳がんは手で触ることができるおっぱいに発生するため、自分で見つけやすい病気です。実際に乳がん患者の半分以上は、自分で異変に気づいたと言われています。そのため、乳がんから自分の身を守るには、セルフチェックがとても大切。
20歳以上の女性の場合、乳がんのセルフチェックは月に1回必要だと言われています。
乳がんは発見が早ければ早いほど、治療効果や治癒率は高くなると言われる病気のひとつです。早期発見のために、自分の目で見て、手で触って、おっぱいに変化がないか確かめましょう。私たちのおっぱいは、排卵から生理前にかけて張りや痛みが出やすくなります。ベストは生理が始まった日から5〜7日目。生理がきたら、「そろそろおっぱいチェックをしなくちゃ!」と思い出してください。
とっても簡単!3つのセルフチェックをご紹介♪
1.おっぱい表面の変化を目でチェック
乳がんにかかると、おっぱいに目で見てわかる変化が起こることがあります。
そのため、チェックのスタートは目で観察することから!まずは鏡とじっくり向き合ってみましょう。
★両手を上げた状態で、鏡を見てチェックしよう!
※おっぱいチェックを行う際は服・下着を脱いで、直接乳房をチェックしましょう
★腰に手を当てて、正面と斜めからも見てみよう!
※おっぱいチェックを行う際は服・下着を脱いで、直接乳房をチェックしましょう
★乳房・乳首の状態を観察しよう!
おっぱいの表面にへこみができたり、その逆に赤く腫れたり。皮膚が引きつれたり、乳首がへこんでいたり。これまでなかった変化が起きていないか、すみずみまで観察してください。
>>他2つの方法とは?90秒で分かる!セルフチェック動画はコチラ
おっぱいにまつわる悩み・不安を解消!Linkx pink(リンククロス ピンク)をご紹介☆
Linkx pink(リンククロス ピンク)は「胸」についての素朴な疑問から、なかなか聞きづらい悩み、乳がんについてなど、「胸」を中心とした、女性の生活にまつわる情報を発信していく、自分らしく生きる女性を応援するサイトになっています。
おっぱいにまつわる悩み·不安を解消するための情報、乳がんについての正しい知識、さらには罹患時·罹患後もサポートしています。ぜひ一度、ご覧になってみてください。
自分らしく生きる女性を応援!Linkx pink(リンククロス ピンク)はコチラ ※外部サイトに遷移します
いかがでしたか?乳がんは早期発見・早期治療をすれば、治りやすい病気です。そして、乳がんの早期発見のためには、適切な乳がん検診を受けることが大切です。
病院で検査をすることに抵抗がある方は、まずは月1のおっぱいチェックを習慣にしてみてください。少しでも不安な方はすぐにでも病院で検査を行うことをおすすめします。早めの検査が、あなたの笑顔と命を守り、あなたが健康でいることが大切な方の笑顔を守ることにもつながります♪
記事に関するご意見、ご感想がございましたら、お気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。また、特集についてリクエストも受け付けております。