2018.07.06
婦人科系の病気リスクは30代半ば~40代に増加!女性向け保険で“もしも”に備えよう
これから30代を迎える女性、今30代から40代の女性にぜひ知ってほしいこと。
それはこれからあなたに訪れる病気リスクとその備え方です。
仕事でもプライベートでも責任が大きくなる年代ですが、自分のことを後回しにしてはいけません。
特に30代以降は、女性特有の病気のリスクが高まってきます。
万が一病気にかかったときに大きな痛手を負うことがないよう、この先の私たちにどのようなリスクがあり、それをどう回避すべきか、一緒に考えてみませんか?
婦人科系の病気リスクが増える年代とは?
女性がリスクを考えておきたい代表的な病気として、子宮筋腫・子宮がん・卵巣がん・乳がんがあります。
そして、これらの病気を患い、入院して治療を受ける確率「入院受療率」が増えるのが30代以降なのです。
出典:厚生労働省「平成26年患者調査」 ※外部サイトに遷移します
上のグラフを見てみると、20歳から24歳の女性に比べ、30歳から34歳では子宮筋腫へのリスクが高くなっていることがわかります。
これが40歳から44歳になるとさらにリスクは高まり、特に子宮筋腫と乳がんは入院受療率が高くなっています。
では、30代以降に増加するこれらの病気には、どのように備えたらよいのでしょうか?
まずは、自分の体についてよく知ってくれている“かかりつけの病院”をもつこと。ささいな体調の変化を感じたとき、すぐに相談できる先をつくっておいてください。
さらに、どんなに忙しくても定期的に検診を受けることも必要です。
定期検診が必要な頻度は、一人ひとり違います。そのため、まずは医師に診てもらい、体の状態やリスクをふまえて、自分に合った検診のペースを知りましょう。
そして、保険についても考えておく必要があります。万が一のときにきちんと治療を受けられるよう、健康な今のうちに備えておきましょう。
もしも乳がんになったら・・・治療費はいくらかかる?
万が一病気を患って治療を受ける際、公的医療保険の範囲内の治療であれば、高額療養費制度によって医療費の自己負担は軽減されます。
医療機関と薬局の窓口に支払う金額に上限が定められ、上限額を超えた金額は高額療養費の支給対象になるのです。
上限額は、加入している公的医療保険の種類と加入者の年齢、所得水準によって異なります。
健康保険、国民健康保険など自分が加入している公的医療保険の種類は健康保険証で確認が可能。
また、所得水準の基準となる標準報酬月額が不明な場合は、加入している健康保険を運営する「保険者」に確認しましょう。
保険者も健康保険証に記載されています。以下は上限額の一例です。
例1)69歳以下で年収約370万円以下→1ヶ月の上限額は「57,600円」
※健康保険で標準報酬月額が26万円以下、国民健康保険で旧ただし書き所得が210万円以下の場合。
例2)69歳以下で年収約370万円~約770万円→1ヶ月の上限額は「80,100円+(医療費−267,000)×1%」
※健康保険で標準報酬月額が28~50万円、国民健康保険では旧ただし書き所得210万円~600万円の場合。
これを見て「年収が約370万円以下の人が病気を患ったら、月57,600円を支払えれば安心なのね」と思ったあなた、残念ながらそんなことはありません。
なぜなら、上限額はあくまでも1カ月単位だから。
仮に入院が6日間であったとしても月末入院、月初めに退院となるだけで、自己負担費用は2カ月分になります。
また、医療費以外に出費がかさむことも考慮しなければなりません。
食事代、差額ベッド代、衣類に日用品、家族がいれば家族が病院へ通う交通費・・・こうした治療費以外にかかる費用まで合わせると、1日あたりにかかる金額は40代の場合で25,735円となっています。
出典:公益財団法人 生命保険文化センター平成28年度「生活保障に関する調査」 ※外部サイトに遷移します
この金額は、保険、貯蓄など何らかの方法により自分で備えておきたい部分です。
これをふまえて、婦人科系の病気を患った場合について考えてみましょう。
例えば乳がんと診断された場合、平均在院日数 は15歳から34歳で6.8日、35歳から64歳で8.9日といわれています。
出典:厚生労働省「平成26年(2014)患者調査の概況」 ※外部サイトに遷移します
例えば40歳の方が乳がんになり、9日間入院した場合。平均値を見ても、治療費を含めて231,615円必要になるのです。
そして、その後も放射線治療や薬物療法などを受けるために、通院が必要になる可能性があることも忘れてはいけません。
退院後すぐに働けない状態であっても、治療費の負担は続くのです。
さらに、保険適用外の乳房再建手術を受ければ、もっとお金が必要になります。
このように、治療や入院、その後の通院などにはまとまったお金が必要になります。
病気を患うと、大きな精神的な負担がかかるもの。さらに経済的な不安まで抱えることのないよう、貯蓄や保険でしっかり備えてくださいね。
女性向け保険にはどんな保障がついているの?
女性向けの保険商品には、30代以降にリスクが高まる子宮筋腫・子宮がん・卵巣がん・乳がんなどの女性特定疾病に対し、特に保障が手厚いものがあります。
例えば、他の傷病による入院・手術も保障しながら、女性特定疾病による入院・手術に対しては給付金額をより高額に設定できるといったものです。
さらに、正常分娩以外の妊娠出産に関する入院・手術にも備えることもできます。
ただしここで注意しておきたいのは、妊娠・出産後になると必要な手続きが増えたり、場合によっては条件がついたり、保険商品によっては加入ができない可能性があるということ。
そのため、健康状態に異変のないときから、女性特定疾病に備えた保障のある保険商品を選んでおくと安心です。
30代以降は女性特有の病気、女性に多く見られる病気に対してのリスクが高まっていきます。
日々の健康に気を配るのは大前提ですが、それと合わせて、公的医療保険や自分が加入している保険の保障内容についても確認しておきましょう。
監修者プロフィール
小串惠子
1級ファイナンシャルプランニング技能士として活動。各企業・官公庁・自治体等でのセミナー、テレビ・ラジオ等のコメンテーターとしても活動。ライフプラン、リタイヤメントプラン、リスクマネージメント、金銭教育などに取り組んでいる。